MBAホルダー100人の横顔 ―MBA修了後のキャリアの軌跡を追う―
MBAキャリアデザイン研究所
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銀行からの企業派遣でKBSへ。入行後10年目に実践的なBSで学んだ事は有意義であった。5年前に転職。実際の経営でMBAの知識は必要だが、各人の経営センス、才覚の部分が重要だと思う。併せてMBAのネットワークの重要性を益々感じている。
氏名 宮川 明
出身大学 一橋大学経済学部経済学科
出身大学院 慶応義塾大学大学院経営管理研究科(慶応ビジネススクール)
修了年 1988年
研究成果(修士論文等) 銀行業におけるマネジメント・コントロール
勤務先・役職(修了前) 株式会社三井住友銀行
勤務先・役職(修了後) 株式会社セブン&アイ・ホールディングス執行役員
 
入学動機

私は慶応ビジネススクール(KBS)を卒業して20年になります。勤務しておりました銀行からの企業派遣として、2年間学びました。当時MBAと言えば海外留学して取得するイメージが強く、国内では慶応以外にMBAコースを設けていた学校は少なかったと思います。 銀行では、法人営業主体に実務経験を経ており、銀行入行後10年目で実践的なビジネススクールで学ぶ機会を与えられたことは大変有意義でした。

 
在学時のエピソード
当時のKBSは、企業派遣のウェイトが高く、様々な業種からの派遣を受容れていました。初年度はケースメソッドによる授業形式で2年度はゼミナールに所属して修士論文の作成にあたりました。初年度は、毎日ケースの読込とクラスディスカッションのための論点整理にかなり時間を費やした記憶があります。修士論文として選んだテーマは、当時の規制緩和、金融自由化が始まるといった金融環境を踏まえて、自由化後の銀行経営の一視点から『銀行業におけるマネジメントコントロールに関する考察』と致しました。
 
学んだ事、得た事、失った事?

学んだ事は、理解の度合は別としても、ケーススタディを通し、経営戦略、マーケティング、財務管理、生産管理、などビジネススクールの提供するプログラムの各分野で当時一応主流と思われる研究成果や理論について、その一端に触れたことでしょうか。
得た事は、やはり皆さんと同じく同期生、同窓生の人の繋がりだと思います。卒業後暫くは、同期生の付合いが主体でしたが、一昨年からKBSの同窓会活動に関与し始め、最近のKBSの卒業生の方や他大学のMBAの方との交流にも積極的に参画しています。これら交流を通して、ビジネス上の情報交換なども進めています。失った事はありませんが、これらのお付合いをし始めなかったら、相当の『機会損失』を被っていると思います。

 
修了後の変化(考え方、キャリア、その他)
MBAの功罪について色々と意見はあると思いますが、マネジメントに関する一通りの知識は2年間学ぶことによって身につけることは出来たと思います。但し実際の経営がこれで可能かということは当然別問題でしょう。経営の置かれている前提は夫々異なりますし、環境も変わります。応用問題を解くには、これらMBAの知識は最低条件として、あとは各人の才覚ないしセンスに関わる部分が大きいと思います。
 
現状(起業、転職、ドクターコースへ進学、その他)
KBS卒業後、銀行では企画、営業等幾つかの部署を経て、5年前に転籍しました。転籍後現在所属する持株会社の設立に参画し、その後は傘下グループ事業の再編・統合、他業態との事業提携等に携わっております。少し時を置いていますが、KBSでの知識は、現在の業務のベースとなっている部分が多いと感じています。
 
今後の目標
近年MBAを設置する大学が増えています。キャリア形成の一環としてのMBAに対する認識が見直されてきた証左ではないかと感じています。僭越ではありますが、少しだけMBAの先輩として、庄司さんも携わっておられるMBA間の交流にお役に立つことが出来ればと考えています。
 
 
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