MBAホルダー100人の横顔 ―MBA修了後のキャリアの軌跡を追う―
MBAキャリアデザイン研究所
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実社会で通用できる様、専門分野をより深く学ぶ為に、筑波大学経営システム科学へ入学。
修了後は、今までの経験、知識を最大限活かし、経営コンサルタントとして活躍。
氏名 春日 丈実(かすが たけみ)
出身大学 湘南工科大学 電気工学科
出身大学院 筑波大学大学院 ビジネス科学研究科 経営システム科学専攻
修了年 2001年3月
研究成果(修士論文等) フランチャイズ本部の競争優位に関する研究
勤務先・役職(修了前) 帝国通信工業 株式会社 商品企画部
勤務先・役職(修了後) 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 コンサルティング
事業本部
 
入学動機
元々、技術系であった私は大学を卒業して入社後に会社という組織及び企業経営というものの理解をするのに苦労していました。どういう形で勉強していくのが良いかと調べたところ、中小企業診断士という資格が企業経営全般を理解するのに有効であることが分かり、資格取得の勉強を始めました。自分には経理・財務面の理解も不足していると感じ、簿記3級の勉強を最初にスタートしました。その後、簿記3級、中小企業診断士を取得したが、中小企業診断士は企業経営の範囲としてはカバーしているものの、一つ一つの分野はそれぞれに専門的な知識や経験が必要になり、資格を取得したからといって、実社会でそのまま通用するとは思えませんでした。そこで、自分の専門分野を深くしたいという思いから、社会人大学院のビジネススクールというものに興味を持ったのが入学動機です。私は筑波大学の社会人大学院を選んだのですが、理由はシンプルで夜間&土曜で通学できることと、国立なので授業料が私立に比べて安いことです。勿論、経営と数理とコンピュータの融合をうたっている大学側の方針にも共感したことも事実です。
 
在学時のエピソード
入学して苦労したのは、統計や確率についての基礎から応用への知識を叩き込まれたことです。この歳になって、微分・積分のテストを受けるとは思ってもいませんでした。ただ、これら基本的なことが出来ていないと、応用も出来ないのはいうまでもありません。大学生活は夜間大学院であったので、平日は夕方5時半まで仕事(横須賀線 新川崎駅)をして、急いで学校(丸の内線茗荷谷駅)に向かい6時20分からの授業に出ます。授業は9時頃終了するのですが、課題が出たり、授業でのディスカッションが延びたりして学校を出るのは夜10時~12時でした。同級生とはその後、学校の近くで飲み会をしていましたので、帰宅はいつも午前様となっていました。今まで平日やりきれない仕事は土曜日に会社に行って処理していたのですが、平日の夜は学校、土曜日も学校にとられてしまいました。当時子供も小さかったので、日曜日は家族の時間として買い物や色々なところに出かけていたのですが、そうなると勉強をする時間が無く、平日は授業があるため、前日までに課題対応なり授業準備なりしなければならず、時間配分には大分苦労したと思います。タイムマネジメントが上達したのはこの時期だと思います。
余談ですが、社会人大学院生ということで、ソフトウェア購入、映画や定期が学割になるのは思っていなかったメリットです。ただ、勉強&研究&仕事が忙しく映画に関しては2年間の学生生活では1回も利用することは出来ませんでした。
 
学んだ事、得た事、失った事?
社会人大学院で学んだものとしては、上記の通りタイムマネジメントと物事の考え方です。何か課題があった場合にどの順番でどうやって調べればよいのか、マクロ的な視点とミクロ的な視点としてはどこにポイントがあるのか。これらは企業経営のみならず、全ての事柄に応用が出来ています。また今まで論文というものをまともに書いたことが無かった私は先生の親切丁寧な指導の下、約1年をかけて論文を書き上げたということもその後に大きくプラスに影響しています。 得たものとしてはなんといっても、同級生の存在でしょう。同じような意識を持った集団にいることで自分も良い刺激を受けがんばろうと思ったし、自分は他の人に比べて忙しいと思っていても、世の中にはもっともっと忙しい人もいるということを実際の体験としてすることができました。お互いビジネスで繋がっているわけではないので、損得なく付き合えるということもあり、当時の仲間とは今でも付き合いがあります。実際の仕事で相談したいことがあると気軽に相談に乗ってもらえ、得がたいものを得たという思いがあります。
 
修了後の変化(考え方、キャリア、その他)
大学修了後は元の会社において社会人大学院で得た知識を活用しようとしたのです、社内では経営用語が通じないこともあり、なんとなく物足りなさを感じていた。今までの自分の経験や知識を最大限活用できることは何かと考えたところ、経営コンサルティング業界というものが一つ答えであった。
当時年齢も30歳を超えていたので、大きなコンサルティング会社ではなく、小さくても企業経営者と直接話ができるようなところを探しており、現在の会社の前進である会社から採用されたのが今から6年前になります。
今までは製造業で商品の企画業務を行っていたのですが、経営コンサルティングという仕事そのものは大きな違和感はありませんでした。「顧客ニーズを聞き、自社のシーズ(種)で解決するにはどうするか?」ということを仕事としてきたので、経営コンサルティングも一言で言ってしまえば、「顧客の問題があり、それをどうやって解決するか?」ということだからです。ただ、仕事のやり方は大分違うというのが印象です。一般的な企業では社員は時間管理され、組織で行動します。一人一人の力は重要ですが、最後は会社対会社という構図になり、経営コンサルティングの世界ではチームで活動することはあるし、個人個人の時間管理はするものの、コンサルタント一人一人への責任の重さが大きく、一人の力がそのプロジェクトに大きく影響します。会社対会社という構図は提案、受注活動時はあるものの、プロジェクトが始まってしまえば、個人の力に大きく依存することは普通の会社の仕事のやり方とは違うと思います。ただ、私は元々前の会社でも時間は比較的自由に自分で管理しており、社会人大学院で色々な物事の考え方や調べ方を学んでいたので、あとは経験を積むことだと考えて、仕事に打ち込みました。
 
現況
現在は会社も数社が合併し規模は大きくなりましたが、やっていることは前から変わっていません。社会人大学院で学んだこと、得たことを活かして企業の課題解決のお手伝いをやっていこうと思っています。今の会社では社会人大学院出身者が多く、これから社会人大学院へ行こうとしている人も沢山いるので、そういう人たちの応援が出来ればと考えています。
 
 
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